前回このコラムカテゴリで、「自信には2種類あること」について書きました。
具体的には「自尊心」と「自己効力感」の2つ。
Being(存在)への自信とDoing(行動)への自信をわけて考えることが大切で、
それらをいっしょくたにして捉えないようにしたいものです。
さて、今日はその「いっしょくたにしない」についてもう少し考えてみます。
わたしがポジティブ心理学のスクールでこの2つの自信について学んだとき、
「自尊心が低くて自己効力感で補っているようなひとはたくさんいるだろうな」
「自己効力感を高めるより自尊心を高める方法のほうが必要とされてるんじゃないか」
ととっさに思いました。
たしかに、自尊心が低いひとというのはうつ傾向に陥りやすいそうですが、
ポジティブ心理学の創設者マーティン・セリグマンの著書に書いてあったのは、
「高すぎる自尊心がもたらす危険性のほうが問題」ということ。
じつは、アメリカの連続殺人犯などはこの「自尊心」が非常に高いという共通点があったというのです。
自尊心は高すぎても問題。いったいなぜでしょう?
外部からの評価、とくに社会的に目に見えるかたちの評価(社会的地位、お金など)は、
わたしたちのBeing(存在)よりもDoing(行動)の部分についてくることがほとんどです。
もしも高すぎる自尊心を持っていた場合、ここに問題が生じます。
自分の評価と周囲からの評価が釣り合わない。
自分は素晴らしい存在なのに、外部からの評価は低い。
ここで本人がBeingとDoingをわけて捉えられていたらいいのですが、
その術を知らなかったら?
「こんなに素晴らしい自分なのに正当な評価を受けていない」
というフラストレーションになるわけですね。
連続殺人犯となるとわたしたちからかけ離れてしまいますが、
「自分はこんな仕事をする人間じゃない」
「自分はもっと大切に扱われるべきだ」
ってイライラしてるひと、あなたの周りにもひとりくらいいませんか?
もしくは、素直に自分を見つめてみたら、あなた自身その要素があるかもしれません。
自尊心が低すぎて自信がない、というより、
じつは自尊心が高すぎてそこに自分の能力とその評価が追いついていない。
そんな場合もあります。
自分に自信がないというあなた。
思い当たるフシはありませんか?
健全な自尊心と自己効力感を持っていますか?
自分のなかでバランスをとる意識ができていますか?
いつも自分のなかでこのBeingとDoingのバランスを考えることができるといいですね。
それが結局はマインドだけではなく、しなやかなココロを耕すことにも繋がるのだと思います。